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とりあえず、ミリィの立て篭もり事件は終息を迎えた。
という訳でもう一つの方を何とかしよう。
「国王様、後で話が御座います。」
「ここではまずいのかい?」
「個人的にはここでも構いません。」
国王はミリィの方をちらりと見てここで話せと言った。
「ミリィももう子供じゃない・・・と思いたい自分が居るが現実は無情な物だな・・・。」
「左様でございますね。」
「それで?何の話だい?」
「ギルド『獅子の咆哮』を国立ギルドにして、七曜の騎士をそこに集めましょう。」
「あの狭いギルドを!?」
「何か策でもあるのかい?」
国王の言葉に俺はニヤリと笑って見せる。
「あのギルドのマスターを七曜の騎士の一人にする。と言う話はどうでございましょう?」
俺の進言に国王もニヤリと笑った。
「君は悪巧みが好きだね。」
「王女失踪から18年、そろそろ新たな局面を迎えても良い頃ではないかと。」
今まで好き放題させてきたんだし、そろそろ年貢を納めて貰わないと、こちらとしても割に合わないだろう。
「解った、手筈は整えておくよ。」
「よろしくお願いします。」
国王はいそいそと執務室に戻って行った。
「さて、ミリィ様?」
「は、はい?」
「お部屋のお片付けの時間でございます。」
「お、お手伝いします!」
二人はいそいそと部屋の片づけを始めた。
その二人を監視しながら俺はドアを空き部屋から外して持ってきて、ミリィの部屋のドアと取り換える作業をしている。
「タケルさんは本当に何でもできますね。」
「執事ですので。」
「私はメイドなのに何もできません・・・。」
「精進あるのみですよ。」
ドアを取り付けて動きをチェック、立て篭もる事が出来ないように今回は外側に開くようにした。
「それでは私は他にもやらなければならない仕事が御座いますので、きちんと部屋を掃除して下さい。」
そう言い残して俺は国王の執務室に向かった。
執務室の前でノックをしようとしたら執事長に中に引き込まれた。
「ノック位させていただきたく思います。」
「気にする事は無い、もうすぐ君の部屋になる。」
引き込まれた事に驚きはないが、やはり最低限の礼儀ではある。
「それで?なぜマキ姉さんを七曜の騎士に?」
「あの奇抜なデザインを気に入った様だったので。」
羽付き帽子が無ければ・・・。
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