超特殊ギルド獅子の咆哮

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「彼女なら実力は申し分ないし、捨てた身分とは言え王族の一人、権力に物を言わせたりもしないでしょう。それに加えギルドマスターとあればそれなりのカリスマを持っている筈です。」 「ふむ・・・。」 「特に着目して欲しいのは・・・。」 「カリスマ性かい?」 「いえ、彼女があの姿を恥かしいと思わない所でございます。」 正直、俺は恥かしい。 再三言っているが、特にあの羽帽子はやばい。 普通の帽子で良いのに、何で羽を付けてしまったのか、全く悩ましいことこの上ない。 「君がそこまで恥かしがるなんて思わなくてね。」 「頭部だけでも何とかなりませんか?羽付き帽子は無いでしょ?」 「うちの兵士たちの正装は皆羽付き帽子だが?」 そうだった、羽付きのベレー帽みたいなのを装備して式典に出るんだよな・・・。 「彼らにはそれなりに高評価を貰っている。」 この国の人は羽付きの帽子が好きらしい。 「ミリィのあれはちょっと、高評価は貰えないかも知れんが。」 だって、麦わら帽子のてっぺんに羽を刺しただけだもんな、アンテナじゃん!って指さして笑われるレベルだ。 「それはさておきまして、獅子の咆哮を国立ギルドにする準備の方はどうなっておりますか?」 「ああ、それならさっき通達を出しておいた。今頃怒りに震えてるんじゃないかい?」 「そうでございますか、きっと震えてるのは怒りじゃなくて喜びでございましょう。」 「そうだと良いね。」 「失礼。」 窓が割れて矢が飛び込んできた。 俺はそれを掴んで窓の外を見る。 「弓の才能も申し分なさそうだ。」 城門の外で暴れる一人の赤い髪の女性。 矢には手紙が結び付けてあった。 「ジスタ殺す!」 でかでかとそう書かれた紙を破り捨てて燃やす。 俺たち以外に見つかったら一大事だ。 「やれやれ、でございますね?」 代わりの手紙を括り付けて女性に投げ返した。 飛んで来た時の約2倍の速度で女性の足元に刺さった。 そしてその女性が慌てている隙に女性の後ろへと音もなく飛び降りる。 「少々やんちゃが過ぎますよ、マキ様。」 「うるせぇよ、くそ執事が!!」 「私が大であるならば、私に勝てないあなたは小と言ったところでございましょう。」 「んなこたどうでも良い!それよりこの手紙は何だ!?」 「通達でございます、そう書かれているではありませんか?」
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