超特殊ギルド獅子の咆哮

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「あ、危ない所を助けていただき、ありがとうございました。」 「気にするな、物のついでだ。それより国王が首を長くしてお前達の帰りを待っている、先を急げ。」 それだけを言い残すと、俺は再び馬を走らせ始めた。 到着予定時刻は午後5時30分、逆算すると後6時間はこのまま走らなければならない。 結局6時間後に予定通り目的地に到着した。 3時間程作戦内容の確認をしたり食事を摂ったりして過ごし、ついに突入の時間を迎えた。 「さて、入り放題だな・・・。」 守りは思ったより薄く、逆に不気味な感じだ。 俺は門に近寄り門番に止められた。 「何の用だ?」 「我は王国特殊戦闘部隊七曜の騎士が一人、黒騎士と言う。今日はイシュタールを占領しに来た。」 「は?」 「お前は次にお前一人でか?と言って笑う。」 「お前一人でか?はっはっはっは・・・はっ!?」 背負い投げで門番を気絶させ、そのでかい門を蹴り開けて進入した。 カツカツと足音を立てて進む。 でかい門がすごい勢いで開いたからか、町中の注目を浴びている。 俺は黙って歩を進め、城の門の前までやってきた。 何の抵抗も警備の兵にすら引っかからなかったのは偶然か、舐められているのか・・・。 「止まれ!何者だ!!」 「我は黒騎士、王国からの侵略の使者だ。」 門番は槍を俺に突き付けて俺を追い返そうとするが、逆に槍を握り、門番を持ち上げて堀の中に捨てた。 「安心しろ、抵抗さえしなければ殺しはしない。」 固く閉ざされている城門を蹴りで開き中に入る。 「敵襲!!!!!」 城の中に大きな声が響く。 風魔法を使って城の中まで全てに声が届いただろう。 すぐに数百の敵に取り囲まれ、全方位から剣を突き付けられた。 俺も剣を抜いて応戦する構えを見せる。 勿論構えるだけで本気の応戦はしない。 「黒騎士、参る!」 まずは突き付けられた剣を全て切り落とし、最前列の兵士たちの顎に掌底を叩きこむ。 これはいとも簡単に突破、続く第2部隊は魔法部隊だった。 流石は魔法都市と呼ばれるだけの事はある。 威力、質、共に申し分のない物だ。 しかし、その魔法はすべてミスリルの鎧によって消散した。 「み、ミスリルの鎧・・・。」 俺は銃を抜いて頭上に向けて引き金を引いた。 轟音と閃光で耳と目を焼きながら銃弾は天井を穿ち、青白い光が夜空を昇って行った。
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