10人が本棚に入れています
本棚に追加
邪神に飲み込まれケダモノと化した神楽と月子達が戦ったあの日から4年。月のゆりかごを辞職したチユニは、月に来ている。
結果的にライト達がケダモノを倒し、街に平和が訪れたたわけだが。損害はデカい。
月のゆりかご本社を中心に街は9割が壊滅状態、戦いのすさまじさを物語っている。
地面も建物もほとんどが壊れ、避難させたにもかかわらず大量の死傷者が出てしまった。1番近くにいたチユニは軽傷だ。
誰かさん達の加護のおかげで、戦闘中はずっと守られていたようだ。おかげで死傷者やその家族からは未だに白い目で見られている。
お前のせいだ。全ての元凶はお前なのに、なぜそんな軽傷で済んでいるんだ、と。
ごもっともだがチユニは身を引き、ことが治まるまで人前にはあまり出ないようにしている。街の人達のためにも、自分のためにも。
街の復旧はまだ完全ではないが、トップを失った月のゆりかご本社はビルを建て直し会社自体も副社長だった女性社員が新しい社長として引っ張っている。
月子の研究はもうできないが元々の、月への移住計画を進める会社だ。新しい社長も他の社員もチユニを次期社長にと手を叩いたが、本人はそれを否定。
精神的にも身体的にももう働けないと辞職を決意。しかし年に1度、月子達の命日に月の探査チームと共に月へ行き、仕事を手伝っている。
「すみませんチユニ大先輩。任務は終わりましたから、あとは帰る準備が整うまで自由行動でいいですよ。大変助かりました!あ、でも、あんまり遠くまではだめですよ」
「うん、わかってるよ。君の目が届くところにはいるから、時間が来たら呼んでね」
最初のコメントを投稿しよう!