既に選択肢がないのだが。

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----------------------ー 「優希ー!起きてよー!朝だよ朝ー!」 ん?体が妙に重い。そして誰かの声がする。 あれ?なんだ?んんんん??? 驚いて目を開けるとそこには夢に出てきた美少女がっ! 「なんで君がここに……」 落ち着け俺。深呼吸だ深呼吸。 ついに夢と現実との区別がつかなくなってしまったのか。そうだ。一度自分の頬を思いっきり叩こう。 バチッ 「いったあああああああ!!!!!」 あれ?痛い。すごく痛い。 ということはあれか?夢じゃないってことだよな? んー……あっ、幻覚か。幻覚なのか。俺はここまできてしまったのか……………。 「ねー優希聞いてる??学校に遅刻しちゃうよー!!」 少女の声はおさまらない。 おれは自分の幻覚に向かって話しかけるという行為を試してみることにした。 「君は俺の夢の中に出てきたあの…。どうしてここにいるの??」 「まだ寝ぼけてるのー?私は優希の幼馴染でしょ?もーいいかげんおきてよー!」 俺、こんなにかわいい幼馴染いたっけ。いや、いない。俺の記憶が間違っているのか。 「もう怒った。あと10分以内に学校行く準備できなかったら熱湯を頭からかけるからね!」 そういって彼女は俺の部屋を出て行った。 夢の中の女の子はもっと清楚な感じだったのだが… とにかく俺は準備をしないと熱湯をかけられてしまうらしい。 俺にゆっくり考えるという選択肢はないみたいだ。 急ごう。男の子といえども準備に10分というのは 少し短い。 制服に着替え、顔を洗い、歯を磨き、少し髪を整え部屋を出た。朝食を食べる余裕はどうやらないらしい……。
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