第三章 失踪

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「芽実さん、 チョコチップのクッキーを焼きたいのですが、 材料使ってもいいですか?」  チョコチップと言ったのだが、 他にもオレンジや、アーモンドなどあれこれ持ってきてくれた。 「琥王君、甘党だからね」  芽実は、他にココアなども持ってきた。 「秘蔵のレシピを伝授しましょうかね」  芽実が、横で鼻歌を歌いながらクッキーの準備をしていた。 明日のパンは大丈夫なのだろうか、 俺が慌てると他のスタッフが準備していた。 「一弘君、どこに行っても帰っておいで、息子だからね」 「はい!」  帰れる場所があるということは、心が優しくなれる。 俺は、ここに居てもいいのだ。
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