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固いのは分かる、
香ばしく焼き上がっていたが、味に問題があった。
特殊な素材を使用していなかったのに、
これは薬師神のパンであった。
食べると、まるで、薬膳料理のようであった。
「おいしいけど、不思議な味ね……」
食べる毎に腹が減ってゆくような、不思議な感覚のパンであった。
「胃薬的……」
俺ががっくりしていると、芽実に背を叩かれた。
「これは、ここでは売れないよね。
だって、薬師神のパンですものね。森のくまのパンではないのよね。
でも、凄い……こんなに美味しくて、健康になれるパンなら、
毎日、食べていたいよね」
芽実が半分持って帰り、家で食べるという。
スタッフも幾つか取り、残りを俺が持ち帰ることにした。
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