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ベランダの庭園に抜けたが、
そこで、風呂場の扉が破られていた。
ベランダに抜けてしまえば、
最悪は跳んで逃げるという手もある。
「何だ、この森は、どこだ、ここは?」
浴室で男が一人で騒いでいた。
ただの浴槽であって、他には何もない。
「マンションの中に、どうして森がある!」
男の幻想かと思っていたが、
男に飛び散った泥は、風呂場にないものであった。
服も時折、何かに引っかかり破れる。
しかし、空間に引っかかるものはない。
「どこだ!出て来い!」
男は確かに、森を見ていて、森の中を歩いているのだろう。
あちこちに躓き、転んで手を切っていた。
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