第一章 過去からの手紙

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 琥王は、俺を探しているのか、電車の中を見回していた。 俺は、今日は隣に座った人物が大きかったので見えないのだろう。 このまま、静かに眠っていたい。  紙袋を抱えて眠ろうとすると、 同じ学校の制服で、ネクタイの色から同学年と思われるが、 知らない奴が前に立っていた。  顔を確認したが、見覚えがない。 でも、どこかで会ってきる気もしている。 心臓の辺りが、ざわざわとする。  誰だったかな。 目を閉じて、記憶を反芻してみる。 自分の教室ではない、琥王の方には居たのだろうか。  知らないのか?知っているような気もする。 そのまま眠っていると、声が聞こえていた。
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