第一章 過去からの手紙

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「薬師神は、修学旅行は行かないのだよね。 琥王も行かないのか?」 「行かない」   俺は、学校の行事に参加していなかった。 両親がいない事は、周囲も知っているので、行事に無理強いをしなかった。 俺も参加しようと思っていなかった。 「それでは……つまらないよね」  俺がいても、いなくても大差はないであろう。  しかも、よくよく場所を聞いてみると、 最近、人探しで行った場所でもあった。 修学旅行は、海外にでも行くのかと思っていた。 「薬師神は、修学旅行中も変わらず、学校と森のくまだよね」 「それが、そうもいかなくて。 森のくまの店長の芽実さん。母方の祖父母がまだ健在でさ。 挨拶に行ってくる」  養子になるので、挨拶をしてくる。
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