第一章 過去からの手紙

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「……消えたよ。確認するか?」 「いや、いいよ」  天満は、日に焼けた顔で楽しそうに笑っていた。 「ここで、薬師神の服を脱がせていたら、 又、騒ぎが起こるって」  想像して、笑っているらしい。  図書館は、校舎と別棟になっていた。 かなりの蔵書量で、研究室や半個室なども備えていた。 ここで、受験勉強している連中もいる。  図書館に入ると、 司書の先生には、俺達が行く事が事前に連絡してあった。 そうでなければ、授業中に出入りできない。  適当な椅子に座ると、俺は眠りに入ろうとした。 しかし、天満も横に座っていた。 「大変だよな。中学から家の手伝いだろ。それに今も、だろ。 親がいないと辛いよな」  これは嫌味なのか、それとも、そのまま捉えていいのか。 それとも、無視して眠るか。
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