165人が本棚に入れています
本棚に追加
車の運転をする桐生は、
えんきり屋の店主 塩冶 秀重(えんや ひでしげ)が
ぬいぐるみから造ってしまった生命体で、今は塩冶の親友でもあった。
塩冶はかつて【返還の血】と呼ばれる、
無機から生命を造る能力を有していた。
今は、塩冶の力は、世界に戻している。
ぬいぐるみであった筈であるのに、桐生には可愛げもなく、
どこかサラリーマンにも見えた。
しかし、器用で、パンも一人で焼けるようになりそうであった。
「桐生さん、
パンを焼けるようになったら、えんきり屋で焼くのですか?」
桐生は、ちらりと俺の方を向いたが、運転に集中していた。
最初のコメントを投稿しよう!