第一章 過去からの手紙

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「森のくまの竈は、相当なものだよ。 あれでないと、パンの味が落ちる」  森のくま、用途に分けて焼く方法が異なる。 もちろん、普通の電気のオーブンもある。 「……どんなパンを焼くつもりですか」  電気で充分いける。 石釜もあるが、そっちが特殊であった。 「薬師神君こそ、 えんきり屋でクッキーを焼いてください。 オーブンは用意します」  クッキーを焼くと、食べてしまう人間が多いのだ。 えんきり屋、甘党が多すぎる。  ちなみに、えんきり屋は、縁切りではなく、 塩冶と桐生の頭文字を取って、えんきり屋であった。 喫茶店で、森のくまのパンも売っている。
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