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俺がクッキーを焼くと、胃薬になる。味は
クッキーなのだが、効能が出てくる。
他に、精神安定剤のようにもなる。
「えんきり屋では、クッキーを売れますよ。
胃薬としてね」
「胃薬として売るつもりはありません!」
クッキーは、クッキーとして売りたい。
それで癒しになったとしても、
俺だけが焼ける味では、商売にはならないだろう。
俺もいつもまでも、えんきり屋に居る訳ではない。
「役立たずですね……」
元ぬいぐるみで、座っていただけの奴に言われたくない。
「人探し、しています」
「まあ、遠視の範囲ですよね。
後は塩冶様がフォローしている」
「!!」
桐生は、痛いところを突いてくる。
多分、桐生は自分が居なくなった時のことを、心配しているのだろう。
それは、分かっているが、言い方もある。
口論しながら森のくまに到着すると、
店主の善家 芽実(ぜんけ めぐみ)が心配そうに見ていた。
俺は、薬師神という亡くなった親の名字を使用しているが、
叔父の善家 安廣(ぜんけ やすひろ)の養子でもある。
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