第一章 過去からの手紙

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 ここで、ぎりぎりまで働き、 時間になると芽実がパンを持ってやってくる。 「一弘君、学校!」 「はい!行ってきます!」  今日も、大量のパンを持たされてしまった。  パンを抱えて駅まで走り、そのまま改札を抜けると電車に乗り込む。 電車では、席を見つけて爆睡する。  二駅過ぎると、同じマンションの住人である、 檮山 琥王(ゆすやま こおう)が乗り込んでくる。  この琥王、厄病神の神憑きであった。 厄病神は、憑き主だけは必死で守り、 厄病神が憑いていても人が離れないように、 魅力的?な人間を造るという。  琥王も、性格はお節介なうえに、結構、嫉妬深いが、 見た目は爽やかで、二枚目であった。
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