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『あたしたち…佐倉さんと榎本先生がそんな真剣に付き合ってるなんて思わなくて…。
あんな意地悪しちゃったの。』
一人の子がそう言うと別の子がまた話を続ける。
『でもさっき月本さんが教えてくれて…』
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『二人の真剣な気持ちぶち壊しにしたのはあたしなの。
榎本先生も莉緒もお互いを守るため必死に頑張って来たんだよ?
今日まで離れていないといけなかったのはあたしのせい…
だからあたし今から理科室に行ってくる!』
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『そんな風に言っててさ…
うちらも、こそこそ悪かったよなぁって…みんなで謝ろうって……』
そんな風に言ってもらえるなんて思わず、胸の中に残っていたしこりが解れていく。
すると担任の先生がまた口を開いた。
『佐倉、榎本先生。お前たちの担任として、同僚として本当は庇ってやりたかったんだが…
他の生徒や親御さんの事も含め、俺は榎本先生が転任するのに賛成した。
正直、離れてしまえば冷めてしまうんじゃないかと思っていたが…
いやはや、あの時庇ってやればよかったと今なら思うよ。』
担任の先生は私たちを見て微笑み拍手を送る。
すると皆がそれに賛同し拍手が巻き起こった。
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