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「んっ……ふぁっ……せっ、んせっ……」
とろけてしまいそうな身体を支え唇を離す。
『…なんだよ。』
先生は少しムスッとした顔で答える。
「あたしっ…こんなキス……はっ…初めてで……」
恥ずかしくなり耳まで熱くなっていくのが自分でもよく分かる。
『…クスッ、莉緒可愛い。』
そう言って榎本先生はまた私の頬に右手を当て顔を近付けてきた。
「……~~っっ!!ちょっとまって!!!」
慌てて顎を引き、両手で先生の胸元をグッと押した。
『…ったく、今度は何だ?』
私を抱き締めていた左手の力が少し弱まった。
「あっ……あの、ここ学校だし…誰か来たら……」
すると榎本先生は小さく溜め息を吐く。
『…あーあ。前は積極的にキスしてキスしてってせがんできたのに…』
榎本先生のまさかの発言に「わー!わー!」とあわてふためく。
その姿に口を閉じた先生は真っ赤になりながら困った顔をする私を見て大笑いした。
『あっはっはっ!ごめんごめん、莉緒があまりにも可愛くていじめたくなっちゃった。』
い、いじめたくなっちゃったって…!!
もう……
先生ってば何かいじめッ子の男子みたい。
むぅっと口を尖らせ私はハッとする。
「あっ…あぁ!!」
『今度は何だよ!?』
いきなり大声を出した私に驚き先生は目を丸くした。
「あたしっ…ホームルーム始まるとこだったのにっ!!」
先生からのメッセージで頭がいっぱいになった私はホームルームをそっちのけで走ってきてしまったのだ。
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