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「あー!先生が自分の保身の為に生徒の成績上げようとしてるなんてサイテー!
皆に言いふらしちゃお~。」
そう言ってあっかんべーとかしてみる。
『お前は子どもか。しっかり実験の結果メモっとけよ。もうすぐ授業終わるぞ。』
さらっと流された。
「ねぇ!聞いた!?今の!子ども扱いだよ、子ども扱い!なんであんなのが人気なの?こっちからしたらオッサンだよね!?」
由奈に同意を求めた。
『……莉緒のそういうとこ、十分すぎる程子どもだとあたしも思う。』
「えー!由奈のいじわる!」
キーンコーンカーンコーン――
『はい!じゃあ各自速やかに片付けて。皆ノートにちゃんと記録したな?』
その問いに『はーい』という声でバラバラと返事をする。
「えっ!あたし記録してない!由奈ちゅわ~ん!」
『やだ。』
「まだ何も言ってないし!」
『言わなくても分かる。さ、教室戻ろー。』
さっさと理科室から出ようとする由奈を慌てて追いかけた。
「由奈ってば!待ってよ~!」
机に落書きしたことなんてすっかりと忘れ、消す間もなく理科室を後にした。
そして、その落書きは私の高校生活に華を添えたのだった。
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