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ひとりぼっちの天使 あらすじ
ひとりぼっちの天使 あらすじ
高校2年生の真宮桜は、生まれつきの脳の発達障害で感受性が強く、感情表現がうまくできない精神障害からコミュニケーションが苦手で、極度の人間不信になり不安性障害やうつ病になってしまい、高校入学からわずか1週間で登校拒否、家族ともほとんど関わらずに部屋に引きこもる生活を続けていた。
何のために生きているのか、なぜこんなにも苦しまなければいけないのか。体調も悪く気持ちも沈んだまま、ほとんど寝たきりの生活を続けていた。何も楽しみを見つけることもできず、ただ彼女を救うことができたのは、パソコンで検索すればたくさん出てくる同じような苦しみを持つ精神病の人のブログだとか、精神病や心理学や宗教などを詳しく解説しているようなサイトで共感できる言葉を見つけることだった。そこには、たぶんこのような病気になってさえいなければ深く考えることもなかった哲学のような暖かい言葉がたくさんあったのだ。
桜は思う、もし神様なんてものが本当にいたとしたら何故このような残酷な世界を作ってしまったのだろう?いや、作った世界は本当は素晴らしい楽園だったのかも知れないけど、人間が愚かにも堕落してしまっただけなのかもしれない。もしかしたら本当はもう神様は悪魔にとっくに滅ぼされてしまったのかもしれない。
何故、あたしは病気になってしまったのか。夢も希望もない未来など考えたくもなかったし、だからといって命を粗末にする気持ちも今はほとんどなくなっていた。だって世界にはもっと幼くして命をなくしてしまう子供もいるのだから。自分のような精神病の人もたくさんいて、苦しみながらも生きている。
孤独の寂しさよりも、他人に関わることが怖かった。そのうち彼女は自分はもう1年も言葉を話していなかったことに気が付いて、「誰かあたしを助けてください」と話そうとしたけど、言葉は出てこなかった。失語症になってしまっていたのだ。そしてもう一つ気が付いた。最近は泣くことも笑うこともなくなっていたことに。
続く
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