第4章

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衣類を身に纏った透明人間が街を行き来する光景は今では当たり前になった 改めて見渡すと不思議な光景だ 様々な物がフヨフヨと浮いているように見えるからだ 突然近くの物が不意に動きだせば今でも驚く事はある 原則として透明人間は何かしらを身につけていなければならない 裸のままでは一般人はその存在を認識できないからだ もしも裸のまま徘徊しようものなら超特殊部隊によって即連行されてしまい、懲役後追跡装置を体内に埋め込まれてしまう 生活に置いても透明人間は一般人より生きづらい 世の中だ 政府は「善意ある透明人間への差別的行為は一切禁じる」と掲げてはいるものの、やはり職場や校内など人目につくところでは周囲からの扱いは今までとは異なる 精一杯分け隔てなく接しようとしている感じがどうしても伝わってきてしまう 反面、事件や事故の原因を第一に疑われてしまうのも現状だ 俺も透明人間になった訳だが、世間がそれほど過敏になってしまうのも仕方がない事だと思っている
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