第3章

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人々はまさかこんな日が来るとは予想だにしなかっただろう その日は誰もがいつも通りの生活を送っていたに違いない 尋常ではない胸の苦しみと、全身の激痛に死さえ悟ったハズだ そして苦しみから解放されると、非現実的な光景を目の当たりにする いわゆる“透明人間”になってしまったのだ 不思議な事に自分自身の体を直接見ることは出来るものの、周辺の人間やこの身を投影する鏡やカメラには姿が全く映らない このままでは自身の顔を忘れる人も出てくるだろう 鏡に映らない自分に錯乱し、自ら命を絶った人間もいた その能力を不当に使用する輩も増え、世界は一時混乱の渦にのみ込まれた しかし悪人もいれば善人もいる 基本的には透明人間同士であってもお互いの姿を目視できないが、それが出来る人種がいる それは同じ透明人間だ ただ、透明人間の中でも善人である必要がある 善人の基準は明確ではないが、悪事を正そうとする者ほど多数の透明人間を見極められる 初めは数人、数百人、そして数万人とやがては全ての透明人間を見つける事が出来る訳だ そうなれば透明人間による犯罪は劇的に衰退し、再び平和な日常を取り戻せるであろう そこで結成されたのが“超特殊部隊”だ
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