5piece 見えない本心

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休日だからか車が多くて、他県ナンバーもいくつもあった。 車から降りると、佐倉さんが言う。 「向こうから、海を一望出来るぞ」 そう言って歩き出した佐倉さんの隣を歩いていくと。 「わぁ~すごい!」 広大な景色に、目を奪われた。 今渡ってきた大橋と、大きく広がる海と空。 夜景とは違った清々しい風景が、どこまでも続いている。 「仕事とかで疲れた時なんか、ここからの景色見ると、何か悩んでたことがどうでも良くなったりするんだよな」 そう言った佐倉さんの横顔を見つめた。 ふと、彼の横顔に、大学時代の彼氏の顔が重なる。 インドアな私をいろんな場所へ連れ出してくれた彼。 学生だから、お金をかけたデートは出来なかったけど、楽しかったな。 その後しばらく、そのサービスエリアで、佐倉さんと二人、青く広がる海を見ていた。
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