5piece 見えない本心

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「ここのシーフードパスタ旨いぞ」 佐倉さんに勧められて、二人でパスタを注文する。 カモメの置物が飾られた窓の向こうの景色を見つめていると、佐倉さんが言葉をかけてきた。 「少しだけ元気出てきたみたいだな」 「……えっ?」 そう言われて、彼の方に視線を向ける。 「今日、家に迎えに行った時、いつもと様子違ったから」 (……気付いてたんだ) 普通に振る舞ってたつもりだったのに、佐倉さんが気付いてたことに驚いた。 「分かるんですね……」 私の言葉に、彼は真っ直ぐ、私を見つめたまま答える。 「分かるよ。お前のこと、ずっと見てるから」 「……」 その言葉に、胸が小さく鳴って、思わず彼から視線を外す。 「お待たせしました」 そこへ、注文していたパスタが運ばれてきた。 真っ白な皿に盛り付けられたパスタは、エビやアサリが、たくさん入っていて、トマトソースに絡めてある。 「食べよう。冷めないうちに」 佐倉さんに言われて、私は頷いた。
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