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「そんな話をするために、今日誘ったの?」
菜々美は、そう言うと、赤ワインの入ったワイングラスを傾けた。
「お前……綾瀬の友達だよな?」
佐倉さんの言葉に、菜々美はワイングラスを口から離すと、クスリと笑う。
「なに、その言い方。なんか高校生みたいね、佐倉」
さらりと流すような菜々美の態度に、佐倉さんは真剣な眼差しで言った。
「真面目に聞いてんだよ」
菜々美はワイングラスをテーブルに置くと答える。
「友達だよ。一番大切な」
「だったら、何で東条とのこと止めないんだよ?お前だって、過去にあんな傷ついて……!」
菜々美の言葉に、佐倉さんが語気を強めた。
(過去にあんな傷ついて……?)
一体、何のことを言ってるの?
まさか……菜々美も、東条社長と何か関係があった?
思わぬ話の流れに、二人の話を聞き入ってしまう。
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