5piece 見えない本心

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「そんな話をするために、今日誘ったの?」 菜々美は、そう言うと、赤ワインの入ったワイングラスを傾けた。 「お前……綾瀬の友達だよな?」 佐倉さんの言葉に、菜々美はワイングラスを口から離すと、クスリと笑う。 「なに、その言い方。なんか高校生みたいね、佐倉」 さらりと流すような菜々美の態度に、佐倉さんは真剣な眼差しで言った。 「真面目に聞いてんだよ」 菜々美はワイングラスをテーブルに置くと答える。 「友達だよ。一番大切な」 「だったら、何で東条とのこと止めないんだよ?お前だって、過去にあんな傷ついて……!」 菜々美の言葉に、佐倉さんが語気を強めた。 (過去にあんな傷ついて……?) 一体、何のことを言ってるの? まさか……菜々美も、東条社長と何か関係があった? 思わぬ話の流れに、二人の話を聞き入ってしまう。
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