5piece 見えない本心

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迷っている間にも、着信は鳴り響く。 「……」 私は迷いながらも、ゆっくりと布団から出て、テーブルの上のスマホに視線を落とした。 「えっ?」 ディスプレイに映っていたのは思いがけない名前。 私はスマホを手に取ると、電話に出た。 「佐倉さん……どうしたんですか?」 着信は、佐倉さんからだった。 仕事の連絡のために番号は交換してたけど、休日に彼から電話が来たのは初めて。 「あー、うん。今日は、仕事絡みで今から出るとこなんだけど。明日もし空いてたら、どっか行かないか?」 「……え」 突然誘われて驚いた。 「もう予定があるならいいけど……」 「……」 予定はないよ。 だけど……。 東条社長の顔が浮かぶ。 でも、きっと彼は。 私が、他の誰かといても、気にならないよね……。
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