5piece 見えない本心

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「家まで来てくれますか?」 「……え?」 聞き返す佐倉さんに、もう一度言う。 「明日、家まで迎えに来てください」 それが、明日OKってことだと分かった佐倉さんは、嬉しそうに声を弾ませた。 「ああ、もちろん!何時がいい?」 「佐倉さんの都合に合わせます」 「そっか。じゃあ、11時頃でいいか?」 「はい」 「どこか行きたいとこあったら決めといて。じゃあ、明日」 そして電話は切れた。 「はぁ……」 スマホをテーブルに置くと、ため息が漏れる。 落ち込んでた気持ちに流されて、思わず佐倉さんからの誘いを受けちゃった……。 もし、先週の土曜日、こんな風に誘われても。 絶対に行くことなんかなかったのに。 複雑な気持ちを胸に抱いたまま、私は自分の部屋を出ると、1階へ続く階段を降りていった。
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