第1章

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ジリリリリリリ 私は珍しく目覚まし時計を止める。 時間は午前6時。 昨日より1時間も早い。 だって今日はバレンタインデー。 覚悟を決めて、凛に告白する。 「行ってきまーす!」 家を出ると、凛と藍君がいる。 「おはよう!」 明るくいつもみたいに言いたかったのに、失敗して笑顔がちょっとひきつった。 「おはよう、恋ちゃん。」 「はよ。」 そしていつものところで藍君は別行動。 ここで凛2人きりになれるのに、シーンと沈黙。 凛は基本喋らない。 私はあれこれ話して聞いてもらうって感じなんだけど、昨日からぎくしゃくした感じだから。 ああ、沈黙が重い……… 言いたいけど言えない………… 学校に着いたら2人きりになれないよ。 どうしよう………… 「………り………凛」 なんとか声をかける。 「…………なんだ?」 凛もちょっと白々しいような……… 「え、あ、えと…………」 ああ、何て言ったら言いの? 全然わかんない! ああ、昨日調べとくべきだった。 いやでも、調べちゃダメだよね?こういうのは………… うーー………… 「どした?大丈夫か?」 凛が心配そうに私の顔を覗き込む。 「あ!うん。大丈夫。なんでもない…………」 って、なんでなんでもないって言った!? 私の馬鹿! これじゃあ…………言えないよ そして、学校についてしまった。 ………………………… どうしよう………… ヤバいよ
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