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ジリリリリリリ
うるさく鳴り響く目覚まし時計の音で私は目を覚ます。
「恋(レン)、いい加減起きなさい。」
私、萩原恋を起こしに来たのは、現役読者モデルの美女。
……………で、私の姉、萩原舞(マイ)。
「眠い…………」
私はむくりと起き上がる。
温かい布団の中が恋しい。
「まったく、高校生になっても全然変わらない。誰よ?高校生になったらお姉ちゃんみたいに大人の女性になるっていったの。」
姉は私をチラ、と見て言った。
そのセリフを言ったのは他でもない私だ。
「……………………。」
私は反論出来ず、姉の横を無言で通りすぎ、部屋を出る。
右手にある廊下の先にリビングへと続く階段がある。
私はあくびをしながら階段を下りる。
「おはよう。」
そこにはエプロン姿の母がいる。
「おはよう恋。もう朝ごはん出来てるからさっさと食べちゃって。」
母は台所で作業しながら言った。
テーブルを見ると、パンとコーヒー、サラダが用意されている。
「まったく、何が高校生になったらお姉ちゃんみたいに大人の女性になる、よ。今でも子供のままじゃない。」
母は呆れたように言った。
…………………朝一から同じ事を2度も言わないで欲しい。
そう思いつつ、私は席に座って朝食をとる。
ピンポーン
朝食後、着替えて身支度を済ませた頃にインターホンがなった。
いつもの事だ。
私はかばんを持って靴を履く。
お気に入りの赤いマフラーを巻いて鏡をみる。
うん。オッケー。
「行ってきまーす!」
私は明るくドアを開ける。
そこには茶髪の優しげな長身の男子と同じく茶髪の無愛想な男子。
「おはよう!藍君、凛。」
私は二人に笑いかける。
「おはよう、恋ちゃん」
「はよ。」
うん、二人ともいつも通り。
「さ、行こっか。」
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