第1章

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それから凛は学校に着くまで、いや、ついても喋らなかった。 けど、私は声をかけなきゃいけなかった。 だって、数学の宿題をやっていないから……… 「凛、数学教えて?」 私はノートを持って凛の席に行く。 「おう。」 凛は教えてくれたけど、どこか上の空だった。 昼休み、私は親友の香苗とお弁当を食べていた。 「ねえ、なんか凛が上の空なんだけど。何かあったかな?」 私は香苗に凛の変化を相談する。 「うーん……………何か言っちゃったとか?」 「……………………わからない」 「まあ、明日はバレンタインデーなんだから、それで仲直りして、で、告白しちゃえば?」 香苗はニヤニヤしながら言う。 「もうっ!しってるからって!」 私は少し照れながら言う。 そう。今年ついに、幼なじみを卒業することを決めた。 長い片思いから両思いに………………なれるかな? でも、行動しないと始まらない。   もう、逃げるだけは嫌! 「香苗、頑張りたいからギュッてして。」 私は香苗にもたれかかる。 「もちろん。頑張っておいで。」 香苗は私をギュッと抱きしめる。 あったかい。 ギュッと抱きしめてもらうと、温かくなって元気が出る。 頑張ろうって心の中で強く固く誓った。
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