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一戸建ての家が建ち並ぶ静かな住宅街。
その中の一軒。
2階の自室の勉強机の前の椅子に座り、夜空を見上げ、クラスの女の子の裸を想像しながら中学生の雅人は、自家発電の真っ最中であった。
絶頂寸前の雅人の目に、夜空を横切る流れ星が映る。
雅人は勉強机に向けて発射しながら、流れ星に願い事をした。
「(透明人間にしてください)」
願い事をしてから雅人は我に返り、勉強机の上や周りに飛び散った、自身から出た白濁の液体をげんなりした表情で眺め、後始末を始める。
後始末を終えた雅人は、願い事をした事も忘れ眠りに付く。
だが雅人の願いを、愛機流れ星号と共に世界中を駆け回っていた神様が聞き遂げ、願いを叶えてやっていた。
早朝、雅人は、窓の外から聞こえて来た悲鳴で目を覚ます。
「キャァァァァ――――」
「ヒィィィィ――――」
雅人は外から聞こえて来る悲鳴で目を覚まし、右手で目を擦ろうとして気が付く。
右手が見えない。
慌ててパジャマを脱ぎ捨て、自身の身体を見下ろす。
身体は存在しているのに見えなくなっている。
雅人は昨晩、流れ星にお願いした事を思い出していた。
「ヤッタ――!
誰が叶えてくれたか知らないけど、ありがとう」
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