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始まりはいつだったかな………
もう幼い頃からかな。
何故か僕は、幼少期から男でありながら女の子の格好をさせられていた。
まあ、理由はわかる。
可愛いんだ…………
美少女と言えるほどに………
そして、それが気に入った母や姉は、僕の女子力をどんどんあげていった。
料理を仕込んで、スカートをはかせ、自称も「僕」ではなく、「私」というように言われた。
そうして段々女の子にされていた僕は、学校にいる間は男子になれた。
けど、家にいるときは女物の服を着せられる………
そして、それを嫌だと思わなくなってきている僕がいる。
なんか、可愛くて良いじゃない、みたいな………
似合ってるし…………
一回外に出たとき、ナンパされたし…………
なんか、女の子になりたいなって思うようになっていった。
そうして段々、自主的に女装するようになった。
そして、そのまま出かけたりとかもした。
女子の中にいても、全く気付かれないのが、なんだか当たり前になっていった。
それでも学校では一応男子。
何故男子かって?
妹が、「女装好きの兄がいるとかみんなにバレたら、私生きていけない。」
って言うもんだから………
なんか、うちは立場が男女逆転している。
まあ、それに違和感を感じないんだけど…………
そして僕にはもうひとつ秘密がある。
それは…………
姉の職場であるメイド喫茶でメイドをしていること。
姉の頼みを断ると怖いからどうしても断れず、周りの人も可愛い可愛いと、褒めてくれるし、なんか楽しくなって…………
けど、これが終わり始まりだったんだ。
カランカラン
ドアを開けてお客様、いえ、ご主人様がお帰りになる。
「お帰りなさいませ!ご主人様」
満面の笑顔で出迎える。
が、出迎えた相手がまさかまさかのクラスメイトの男子。
「………へ?」
「え?お前、綾瀬?なんでここに?てか、お前、メイドやってんの!?マジで?女装?やべえ一瞬ホントに可愛い女の子だと思った!」
彼はそれを面白がって、なんか写メまで撮ってる…………
僕は確信した。
僕の男子高校生としての3年間は終わった、と。
明日から女子高校生になるのかな…………
あ、違う。
変態の称号を送られるんだ。
最悪だ………………この世の終わりだ…………
ていうか、いっそ終わってくれ!
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