第1章

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
始まりはいつだったかな……… もう幼い頃からかな。 何故か僕は、幼少期から男でありながら女の子の格好をさせられていた。 まあ、理由はわかる。 可愛いんだ………… 美少女と言えるほどに……… そして、それが気に入った母や姉は、僕の女子力をどんどんあげていった。 料理を仕込んで、スカートをはかせ、自称も「僕」ではなく、「私」というように言われた。 そうして段々女の子にされていた僕は、学校にいる間は男子になれた。 けど、家にいるときは女物の服を着せられる……… そして、それを嫌だと思わなくなってきている僕がいる。 なんか、可愛くて良いじゃない、みたいな……… 似合ってるし………… 一回外に出たとき、ナンパされたし………… なんか、女の子になりたいなって思うようになっていった。 そうして段々、自主的に女装するようになった。 そして、そのまま出かけたりとかもした。 女子の中にいても、全く気付かれないのが、なんだか当たり前になっていった。 それでも学校では一応男子。 何故男子かって? 妹が、「女装好きの兄がいるとかみんなにバレたら、私生きていけない。」 って言うもんだから……… なんか、うちは立場が男女逆転している。 まあ、それに違和感を感じないんだけど………… そして僕にはもうひとつ秘密がある。 それは………… 姉の職場であるメイド喫茶でメイドをしていること。 姉の頼みを断ると怖いからどうしても断れず、周りの人も可愛い可愛いと、褒めてくれるし、なんか楽しくなって………… けど、これが終わり始まりだったんだ。 カランカラン ドアを開けてお客様、いえ、ご主人様がお帰りになる。 「お帰りなさいませ!ご主人様」 満面の笑顔で出迎える。 が、出迎えた相手がまさかまさかのクラスメイトの男子。 「………へ?」 「え?お前、綾瀬?なんでここに?てか、お前、メイドやってんの!?マジで?女装?やべえ一瞬ホントに可愛い女の子だと思った!」 彼はそれを面白がって、なんか写メまで撮ってる………… 僕は確信した。 僕の男子高校生としての3年間は終わった、と。 明日から女子高校生になるのかな………… あ、違う。 変態の称号を送られるんだ。 最悪だ………………この世の終わりだ………… ていうか、いっそ終わってくれ!
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!