0人が本棚に入れています
本棚に追加
続き
そんな昨日。
そう、ある日ではなく昨日。
昨日もシンピーの出動要請で、性犯罪を未然に防ぐべく街に飛び出した。
現場では、今まさに女性が脱がされそうになっていて。
俺はシンピーから与えられた力やら、体を使っての攻撃で犯人を倒した。
だが、その被害者の女性というのが。
「まさか、ありさちゃんだったなんて……!俺の人生終わったぁああ!!」
同じ課の、密かに思いを寄せていた椎名ありさちゃんだったのだ。
俺はあの時のありさちゃんの顔を忘れない。
信じられないものを見たような、とにかく開いた口が塞がらないと言った顔だった。
だって、助けたとはいえ変態コスチュームを着ていたのだ。
しかも、同僚が。
そりゃ、思考も停止するわ。
終わった。
俺の人生は終わった。
すでに今日の一仕事は終わったとばかりに、隣で爆睡しているシンピーを殴りたい衝動にかられたがそれをなんとか押さえ込んで。
俺は、明日ありさちゃんに会って死刑宣告される恐怖に頭を抱えたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!