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しかし、問われたからには答えが必要だ。
「……何が」
「いい?」
「だから何が」
「紫さんから会いに来るとか初めてだしさ」
「……うん」
「二か月くらい? 会ってなかったでしょ」
「……そうだったっけ」
「わかって言ってる? 焦らしてんの?」
「そんなこ」
と、を言う間もなく唇を塞がれた。
目の前にある瞳を伏せたその睫毛も、やはり長い前髪で少し見えにくい。
そこまで見てから、閉じるのを忘れた瞼を改めて伏せる。
晴己の背中にゆっくりと両手を回すと、それに応えるように私の左耳を彼の右手が優しく擦った。
しばらく左耳をいじっていた右手はやがて首筋へと下りてくる。
左手はがっちりと、少し身じろぎをする私の腰に回されたまま。
そう。
この子と会うのは、久しぶりなのだ。
だからわかっていた。会ったら、どうなるのか。
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