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八畳ほどの部屋にはダークブラウンのカウチソファがひとつと、テレビが一台。
それだけ。
ここは晴己が自分の部屋のようにしている場所で、特にサークル棟の扱いについては厳しくないという大学の目をくぐり抜けてしょっちゅう出入りしている。
最初はれっきとした『サークル室』だったが、それも架空のものを作り上げてしまったために今はほとんど誰も来ない。
私の知る限りでは。
長いキスの後唇が解放されると、息も絶え絶えになった私を見て晴己が満足げに微笑んだ。
そして軽いものでも運ぶように膝の下から手を入れて私を抱き上げると、そのままソファに運んでいく。
若干乱暴にソファへと沈められ、私の上に跨った晴己は自分のTシャツを脱いだ。程よく鍛えられた上半身が露わになる。
綺麗な身体だと、素直に思った。
「ジャケット、皺になったらごめん」
晴己はそう短く言うと、既に肩からずり落ちた私のジャケットを脱がせて床に放り投げる。
続けて下に着た淡いブルーのワイシャツのボタンに手を伸ばすと、晴己はひとつため息を吐いた。
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