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その様子が妙に可愛くて、思わず笑ってしまった。
「ほんとに気にしてないから大丈夫だよ」
晴己のきちんと手入れされた綺麗な眉がゆがむのを見ていると、何だかとても悪いことをしている気がしてしまう。
……いや、実際してるんだけど。
と、そこで足元に落ちているバスタオルに気付いた。
先ほど起きたときにした音は、これが落ちた時のものだったのか。
おそらく、いや間違いなく寝てしまっていた私に晴己が掛けておいてくれたのだろう。
屈みこんでそれを拾いあげ、丁寧に四角く畳んだ。
「あーいいのに適当で」
言いながら、底の部分だけぐるっと赤いドットで囲まれた可愛らしいコップを手に晴己が隣に座る。
私が自分で選ぶものではない。
こんなに可愛らしいデザインは似合わない。
ああ、そうだった。これは。
「まだあったの?」
「紫さん用って言ったじゃん」
少し拗ねたように笑いながらそれを手渡してきた。
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