第一章 後輩

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 ギイ、カタン。  空席に座った瞬間、椅子が悲鳴のような音をあげた。  そんなに重いのかと羞恥で一瞬腰を浮かせかけて眉を顰めたものの、背もたれ部分のバネらしきものが痛んでいたことが脳裏をかすめる。  まだ修理してないのか。  肩にかけていたバッグを椅子のすぐ脇に置き、パソコンを立ち上げる。  ログイン画面に切り替わるが、学籍番号を持っていない自分ではログインできないことにも今更ながら思い出す。そういえば先程の職員にそのような説明をされたんだった。  ログインできないと可能な作業が少し絞られてしまう。  仕方ない、ちょっと覗くだけにしておこう。  どうせ時間潰しだし。  インターネット画面を開き、仕事先にまつわるブログやらをひと通り検索してしらみつぶしに読んでいく。  誰に頼まれたわけではないが、口コミや評判はやはり気になる。  ただしネットを鵜呑みにするのは危険なのは承知なので、そこは適当に読み流すのみ。
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