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(こうなったら飲んでやる)
思ったものの昼間のことでアルコールは置いていなかった。
おとなしくジュースを手にしたあさ美は、
先ほど話せなかった目当ての35歳の男性が一人になっていることに気がついた。
すかさず近づいて話しかける。
「音楽がお好きって言ってましたよね」
「ええ」
「楽器をなさるんですか?」
「バンドでトランペットを吹いているんですよ」
「へえー! 私はジャズなんかよく聴くんですけれど、
どんな曲を演奏するんですか」
「あ、
僕はジャズはやらないので……」
「でもぜひ演奏を聴いてみたいですぅ」
「……あの、
飲み物取りに行っていいですか」
初めから少しずつ後ずさりするような気配を感じていたが、
逃げるように行ってしまった。
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