2 再会と出発

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2 再会と出発

銀座通りに面したガラス張りのカフェで人の流れをぼんやり見ていると、 ほどなくして待ち合わせの人物は現れた。 「やっぱり銀座は落ち着くわよねー」 そう言ってあさ美の前に座ったのは、 頼子(よりこ)である。 先日のクルージングのお見合いパーティーで出会った人物の中で、 その後唯一あさ美が再会できたのは彼女なのだ。 パーティーのフリータイムでのこと。 あさ美が誰にも相手にされず、 デッキのベンチで波を見つめながら、 ふてくされ気味にローストビーフサンドにかぶりついていた時だった。 「あさ美?」 声をかけられて振り向くと、 胸に17番の番号札をつけた女性が笑いかけている。 誰?  参加者のリストを見ると「女性17番・頼子・42歳・東京都」とある。 「えー、 頼子さん? こんなところでお会いするなんて」 頼子は、 あさ美が高校時代に所属していたコーラス部で一年上の先輩だった。 部活では親しくしていたが、 顔を合わせるのは20年ぶり以上ではないだろうか。 「久しぶりだよねー。 でもこんなところで女同士で盛り上がってもしょうがないからさ、 今度ランチでもしましょうよ。 あとで連絡してね」 ピンクのアドレスカードを渡されたというわけだ。
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