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は? 投機でございますか。
ああ、
ねぇ。
その後彼は熱心にデイトレードの話などをしていたが、
この景気不安定な時代に、
仕事をなおざりにして投機に打ち込む感覚はいかがなものだろう。
あさ美は作り笑顔のまま上の空でフリーズした。
喧騒が漂う夕刻の街で待ち合わせた男は会社帰りで、
ノーネクタイのスーツ姿だった。
ただそのスーツというのが最近あまり見かけない半袖、
いわゆる省エネルックだった。
季節は夏になっていた。
ブスにもかわいげのないブスと愛嬌のあるブスがいるのは男性も同じことで、
彼は愛嬌のあるほうだ、
とあさ美は思った。
若い頃と違って、
見た目のカッコよさにはあまりこだわらない自分にあさ美は気づいている。
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