1 あさ美の船上パーティー 

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先ほどの自己紹介の内容を思い出してみる。 話すことといえば仕事か趣味か、 住んでいる場所のことなど、 当たり障りのないことに決まってはいるのだが。 ところが彼は、 メンバーリストにじっと目をやったまま動かない。 心なしか斜めに座っていて、 あさ美の方を向こうともしないではないか。 「あのぉ……」 話しかけようとした瞬間だった。 隣の若い女性の前の席が空き、 あろうことか 「次、 お話ししてもいいですか?」 とずれていってしまった! (ここはウェイティングサークルかよー!) 心の中で叫びながら席を立ちドリンクバーへ向かう。
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