五臓六腑に染み渡る

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「まぁ、とにかくまとめると、おじさんの持ち時間は今から48時間。正確には、今、説明した時間分だけは減っちゃってるけど、細かいことは気にしないで。とにかく、おじさんは、その時間内に選択して、行動を起こす。判定は右手のナイフで、ターゲットの左胸を刺すこと。繰り返すけど、おじさんのナイフで刺された人が、死ぬことはありません。今のおじさんと同じ状態になるだけ。テレビで言うところの透明人間みたいな? そんな感じ。あと、今のおじさんなら、人から見えないから、女子更衣室に入っても、銭湯の女風呂に入っても、捕まることはないからね。時間内なら楽しんでくれても結構だから」  幼い姿でそんなことをいけいけしゃあしゃあと言ってのける。 「質問はある? なければ僕は退席するね。そうそう、僕が退席したら、おじさんの今までの記憶、一旦戻るから安心して」  大丈夫? 僕行くよ?  半ば、反射的に頷いていた。話が突飛過ぎた。それに今は一人で考えたい。 「じゃあ、時間内に結論見つけてね」
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