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その勢いのまま、会社に行った。案の定、高橋は部長の席でふんぞり返っていた。
正々堂々と高橋の前に立つ。今まで、この場所でどれだけ高橋にどやされたことだろう。そのほとんどが高橋のミスだ。高橋はミスを全て部下に押し付ける。悔しくて悔しくて、それでも必死に目の前の不条理と戦って、口をつぐんでいた。
そんな高橋は、全くこちらに気づかない。ナイフを彼の目の前にチラつかせれるが、やはり反応はなかった。
ざまぁみろ。笑みがこぼれる。にやけた顔を戻すことが出来ず、無防備の高橋の左胸にナイフの切っ先を当てる。快感を感じていた。そんな自分が怖くもあった。
あとは簡単だった。高橋は逃げるわけでもなく、抵抗するわけでもない。ゆっくりと落ち着いてナイフを刺すだけだった。ほとんど手応えもなく、呆気なく高橋の左胸に深々と刺さった。
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