五臓六腑に染み渡る

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「ホント、おじさんって鈍感なんだね。憎い人を刺して、彼女はその仕返しを恐れたんだよ。それと、一つの義務、言い換えれば一つの不運が、おじさんに降りかかるかもしれないって、彼女は本当に心配したんだよ。彼女って、心配性だよね? 万に一つの可能性を引きずるなんてさ」  たから、瞳は自分の命を持って、僕を救ったということか。 「でもさ、これで彼女さんのおじさんへの愛は証明されたんだし、良かったじゃない」 「ちっとも、良くなんて……ない」  良いはずないだろ。  結局、自分が何をしたのか分からなくなる。瞳を救うことは出来なかった。ただ、高橋とへの憎しみの大きさを実感しただけ。自分が嫌いになっただけ。  そこで急に景色が暗くなった。
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