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「まだ何パターンもシナリオあるし、また試そうよ」
隣で笑う瞳。その瞳は先ほどまで抱いていた殺意に気づいてるのだろうか。
彼女とは来月結婚することになっている。高橋は、結局、女性社員たちからの訴えで、遠く男性とおばさんしかいないような支社へと島送りにされた。
もう終わったこと。それなのに隠された深層心理を見つけてしまった。
怖い。自分の醜さも知ったし、瞳を失う怖さも知ってしまった。
隣にいる瞳はまだニコニコ笑っている。暢気なものだ。こちらの気持ちを少しは慮って欲しい。
またやろうね。もう一度、そう言われた。
とんでもない。もう二度とこのゲームをしないと、心に誓っていた。
完
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