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「しばらく進むと電気屋があるんだ。その4階にテレビ売り場があるから、その前まで」
「何故、君の指示に従わなければならないんだ?」
「嫌なら力づくでも移動して貰うだけだけど」
少年の目に怒りが篭ったかと思うと、先ほどのような頭痛にまた襲われた。耐え難いほどの痛みに立っていられない。
「……分かった。言う通りにするから、勘弁してくれ」
「最初からそういう態度で行こうよ。では、移動して」
顔を上げた時には少年の姿は無かった。慌てて周囲を見渡すが、どこにも少年の姿は見当たらない。
仕方なく僕は移動を開始した。
少年の言う通り、10分ほど歩けば、有名な家電量販店が目に入った。地上8階建て。赤地に白文字の巨大な看板が掲げられている。
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