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さて、話を始めるね。少年はそう言う。
「まず、おじさんの体は病院にあるよ。能無しの医者たちがどうしていいかも分からず、ベッドの横で右往左往してるところ。だから、今のおじさんは実態がないんだ。後でいいから試しに誰かに話しかけてみて。誰も反応しないから。そりゃそうだよね。だって、姿も見えなければ、声も聞こえないんだから」
ケタケタと少年は笑う。
「戻してくれ。頼む、何でもするから、僕を体に戻してくれ」
夢のような話なのに、どうしてかそう言っていた。
「慌てない慌てない。今から僕はおじさんに、3つの選択肢をあげるね。その中から、1つ選んで。制限時間は今から48時間。それと――」
間髪を入れずに、少年はそう言い置く。
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