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ここまで話をしたがここまでは外面的な話しかしてないわけで、ここからは内面的な話になるよ。
と言うわけでここで一つくだらないたとえ話をしよう。
ある研究所で透明化の実験をしている施設があったとしよう。
そしてその施設でとある心優しい善良な青年が被験者となり透明化の実験に参加し、見事透明化に成功したとしする。
当然研究員たちは実験の結果に大いに歓喜した。
だが、その実験の数日後に施設内で事件が起るわけだ。
なんとその施設内で殺人事件が起き研究員の一人が殺されたのだ。
事件現場には何の証拠も残されておらず、さらには目撃者もいない。
当然、施設では犯人は誰だと言う犯人探しが執り行われた。
さあ、この状況下においてもっとも疑われるのは一体だれなのか?
それは十中八九、善良な青年だろうね。
透明な存在になった彼が真っ先に疑われる。
口では誰も言わないかもしれないが彼こそ一番最初に浮かび上がる犯人候補になる。
なんて言ったて証拠が何も残っていなかったんだ、証明できない存在である彼を疑うのは必然だろう。
ここで考えなければならないのはなぜ彼が疑われるのかと言う点だ。
さっき「証拠がないからだ」と私は言ったがだが証拠がないのはその施設にいた全員に当てはまることだ。
それなのにもかかわらず、「証明できない存在」であり「透明なナニか」になり元々人間だった善良な青年は動機の有無も定かではないのに彼は真っ先に疑われることになる。
これはとても不思議なことだ。
彼は確実に透明な人間だ。
しかも、善良であり自ら実験の被験者になるほど献身的な思想の持主。
だが、彼は透明になったと言うだけで犯人候補筆頭まで信用がなくなってしまった。
それはなぜだ?
そして、さらにこのたとえ話は続く。
疑心暗鬼に陥ったある研究員があるとき、その犯人かもしれない透明人間の青年を他の研究員の目の前で殺したとする。
透明人間殺人事件だ。
さあ、その透明人間を殺した研究員は果たして罪に問われるのか?
彼に殺人罪は適用されるか?
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