いつだってそう。

2/10
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
「2週間以内に50万円。耳キッチリ揃えて持ってこいよ?」 スキンヘッドに髭を生やし黒のジャージのセットアップ 如何にもヤクザな男が正座している俺に向かって言う。 と言うかヤクザだ。 さっきそのヤクザにボコボコにされ口の中は鉄の味しかしない。 しゃべる気力もなくヤクザを見ることしかできない。 「てめー話し聞いてんのか!!ああ?」 ドゴっ 腹を蹴られ俺はうずくまる。 「わ、わかりました。」 俺は、傷みを堪えながら言った。 「免許のコピーあっから逃げれねーからなー。逃げたらわかるよなー?」 事務所のソファに座ってたもう一人のヤクザがケータイをいじりながら俺に言う。 そしてようやく解放される。 歩けない俺はヤクザたちに担がれ路地裏に放り捨てられる。 まじついてねーなーー。 ポケットからタバコを取り出し火をつける。 ことの発端を説明すると。 4ヶ月前 俺は女にデートをドタキャンされ落ち込みながら歩いていた。 通りすがった男と肩がぶつかる。 俺はショックのあまり気付きもしなかった。 が、その男は俺に喧嘩を売ってきた。 ついその喧嘩を買ってしまいその男をボコボコにした。 その男はヤクザだった。 ちなみにソファでケータイをいじってた細身のやつが俺がボコボコにした奴だ。 そして 今日街を歩いていると運悪くそのヤクザに出くわしてしまった。 倒そうと思ったが相手は四人。 倒せるわけもなくボコボコ。 拉致られ今に至る。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!