いつだってそう。

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俺が着替えている途中 舎弟のゴリラが大杉さんに不満そうに話す。 「ほんとにこんなガキに賭けて大丈夫ですか?こいつが東会(あずまかい)のハゲに勝てる気自分はしないです。」 「村山ぁ、、、おめーの心配はわかるけどまー見てろって。」 大杉さんはそう言うとニヤリと笑った。 ゴリラの思うことは当たり前だ。 俺から見てもさっき対戦相手のハゲに勝てる気がしなかった。 背も俺よりデカイ。体重も俺よりだいぶあるだろう。 「周りの奴らが健太のことバカにしてたぞ。これは公開処刑だなって。ぶちかましてやれ!健太なら勝てる!!」 仁はそう言って俺を励ましてくる。 その情報を聞きやる気が出てくる。 ぶちのめしてやる。 「よし。いくぞ。」 大杉さんは時計を見てそう言う。 俺らはロッカールームを出る。 リングを見るとすでに上半身裸で半ズボンに着替えたハゲが待っていた。 やっぱり見た感じ俺の一回りは体がデカイ気がする。 俺もリングへ上がる。 レフェリーがルールを説明する。 ラウンドはなし。 どちらかが戦闘不能になるかギブアップまで試合は終わらない。 「そのガキぶっつぶせ!柏木ぃー!」 「柏木ー!手抜くなよーー!!」 見に来ている奴らのほとんどがハゲに賭けてるみたいだ。 俺への声援はない。 まぁ仕方ないか。 その中 「健太ーー!やっちまえー!」 その声の方向を見ると仁の隣に先輩の孝(たかし)くんがいる。 そういや孝くんも大杉さんと知り合いだったな。 なんだよ。来てるなら声ぐらいかけてくれればいーのによ 俺は孝くんに向かい軽く会釈する。 そしてハゲを見る。 ハゲは俺に向かってファイティングポーズをしている。 俺もファイティングポーズをする。 うわーっハゲ強そうだわーー ってか緊張するーー とか思っていると カーーーーンッ ゴングが鳴った。
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