プロローグ

2/2
161人が本棚に入れています
本棚に追加
/783ページ
今日も晴れた澄み渡る空を見上げる。 雲が流れて動くさまを、ただじっと見ているこの時間が好きだ。 この世界に来てから、ただぼうっとしていられる時間がどれだけ貴重か初めて知った。 辺りは花が咲き乱れ、木々がひしめき合って木漏れ日が差し込んでいる。時折見かける果実は色とりどりで最初は食べられるのか戸惑ったものだ。 この世界には、動物や魔物がいる。今、通ったのは兎に似た火を吹く魔物だ。 魔法を使って戦闘し、狩りをして食事をする。地球ではファンタジーと呼ばれる想像の世界が、この世界では現実だ。 この世界に来て1年。あっと言う間だった。
/783ページ

最初のコメントを投稿しよう!